現状。

2004年4月9日 時事ニュース
毎日毎日、あの事件が報道されていますよね。
世論も賛否の声が高いです。
それで日本がどうするのかと言えば、撤退はしないと。
無責任だという声もあります。でも正論だと言う声もあります。
どちらが正しくて、どちらか間違っているとか、そういう次元の問題ではないように思えるんですよ。
本当の正解なんてどこにもないんですから。
客観的な意見だけをまとめると。

もし人道支援を行うに当たって、撤退をしないとすると。
人質はどうなるか?
そうですね、彼等は殺害すると申し立てました。
でもそれの脅迫の意味は殺害目的だけでしょうか?
彼等が本気で殺害する気なら、過激派であると共に、
自分の条件が呑めない代わりに人質の命を奪ってしまうかもしれません…。
脅しだけで殺害が目的ではないのなら、呑めなくとも少なからず殺害だけはしないかと思われます。
何故なら?
もし彼等が人質を殺害すると、自分達の立場が危うくなるは必至。
自分達の国を助ける為にボランティアとして来た人達を殺すということは、
人として道を外れていますよね。
その代わりに得るものは何も無い。
と、なれば。
殺害はあくまで脅しであり、撤退だけが目的とあらば人質を殺害するとまではいかないと思います。
むしろ、そうであって欲しいと思います…。

逆に、人質を優先して撤退するとしても。
人質が無事に帰される保障はどこにも、1%たりとも保障されてはいません。
条件に応じる、それはテロに屈するということ。
日本の弱い部分を知っていて、それを突いてくるような行為をするのは、
日本が連合国の中で一番弱いと知っているから。
撤退してこれで終わりというわけでは無いと思います。
あの国に日本人がいる限り、また次の誘拐が起きるかもしれません。
今回の結果がどうであれ、次が起こらない保障もありません。
そのたびに日本が彼らの条件を呑んでいれば?
日本の国際的な地位というか、日本としてのプライドを含めて、
世界から叩き落とされることは目に見えています。
こういったことは、根元から改善しないと次々に繰り返されるものです。
今回の条件を呑んでも、日本にとれば得るものは人質の解放、それもどこにも保障がないままで。

人質の命は大事です。人道支援よりも命は大事なものだと思います。
でも撤退することによって、日本だけではない、他の連合国内でも不安が広がります。
その不安はいずれアメリカの掲げる方針をも崩していくかもしれません。
どちらを支援するか、何が正しいのか、それはあくまで客観的意見の上。
撤退すべきか、しないべきか、主観的な意見では語れません。
日本が掲げる「撤退しない」ことが、人質を救うことに繋がれば…。
日本の判断は正しかったということになりますが。
誰の命も奪わせないまま、3人が無事に帰ってくることを何より望みます。

…でも、最後に一つだけ、言いたいことが。

あたしは昔、ある言葉に惹かれました。
それはドラマの中の言葉です、例え作り物の言葉でも。
その時は、深い意味は分かっていませんでしたが。
今、こういう事件が起こって、その言葉を思い出すと、ちょうどぴったり来るんです、ね。
そういうことを起こした者に、一言だけ。

「どんな犯罪者にも 家族が居るんです」

向こうからすればこっちが悪だとしても彼等が捕らえた3人にも、日本で待つ家族が居ます。
彼等にも血を分けた肉親がいると思います。
だから 同じ人間で、同じ肉親を持つ者に酷い事をしないで下さい。
家族の悲しみを分かって、とまでは言いません…。
ですが、もし日本が条件を呑んだ時、彼等が得た望みの代わりに、
反対側では失くしたものがあるということを頭の片隅に置いて下さいね。
その言葉の意味が、今なら分かったので…。
一意見ですが、賛否あると思いますが、少しでも伝わればいいですよね。

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