++待処++

2005年1月7日 小説
君の旅が終わるまで ―――私は此処で待っています―――

いつか終わろうとする時
それが命の終わりでも
事切れる寸前まで    私は君の事を 待ち続けます

勝手な願いだと怒りますか?
重荷を与えるなと嫌がりますか?

でも これは 私の中での   約束だから
君に伝わらなくてもいい

―――――せめてこれだけは守らせて

死すまで待っているなど  綺麗事だと思いますか
そんなことは無理だと いつか君も心変わりすると思いますか
偶然?まやかし?過ち?
そんなものは何の意味も持たないと
冷たくあしらいますか

綺麗事が嫌いな君は 自分だけを信じて旅立ちました
いつか帰るとも   一生帰らないとも 告げずに
目的は無くとも   歩みだけは止めないと決めて
常に気を張っている君だからこそ
私だけは 君を待つ

帰る処でありたいと   ―――――望む―――――

君がずっと帰ってこなくても  報われなくてもいい
ただ  帰る処はあるのだと  心に留め置いて欲しい
それだけです
その為に  私は君を待ちます

やっぱり綺麗事かしら?

綺麗事が嫌いな君と  綺麗事を理想とする私
一見 相容れないかもしれないけれど
それでも私達は     共に過ごしました

生きて     笑い         悲しんで

居る処は違うけれど   どこかで  生きていて

出来れば  もう一度逢いたいとは願うけれど

++Fin++

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