”制限時間はあと少し”
2009年6月3日 BASARA SS刀を振るうのが厭だと言った
誰かを傷つけるのが恐ろしいのだと
ぐずる子の背を擦って宥める
大丈夫、と言い聞かせるように抱きしめた
だってあなたはあのひとの血を引いているんだから
あのひとがあなたの中で呼吸をしているんだから
小さな若君、いつかきっとあなたも分かる
かつて紅蓮の鬼と呼ばれたあのひとが 戦うことを望んだ理由を
誰かの為に自分の手を染めることを厭わない強さを
さすけ、と泣きながら呼ぶ声が あのひとの声に聴こえた
あのひとに あなたは一歩ずつ近づいていく
嗚呼 もしも待ってくれているのならば もう少しだけこの子を見守る時間を下さい
幼子を抱いて見上げた空は泣きたくなるほど赤く 今も消えないあのひとの色を目に焼き付けさせた
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猿飛佐助、主に頼まれた最後の仕事。
死にネタかどうかは受け取られる方次第ですが…、私自身はそうではないと言い張る。
死にネタは読む方も書く方も悲しいですから。生きて幸せになることが一番です。
じゃあ幸はどうしたんだ、と言われると、それは各々どう受け取られたかによります。
もういないのかもしれないし、何処かの地で佐助とは離れて生きているのか。
それはきっとふたりにしか分からないんでしょう。
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